蛍光材料式の温度計センサーの原理・仕組みと注意点

温度を測定して電気的な信号に変換する温度計センサーは、多くの場面で使用されています。一般的に使用されているのは熱電対式で、温度勾配により発生する熱起電力を測定してデジタル変換します。ほとんどの温度計センサーの素子には金属材料が使われているので、強い電場・磁場や電磁波に晒されるような環境では使用することができません。電場や磁場の影響の強い環境であれば、金属を一切使用していない素子を使用する必要があります。

蛍光材料式の温度計センサーは金属(導電体)が使用されておらず、不導体である光ファイバーで作られています。このため、電場・磁場の影響の強い環境(電子レンジやマイクロ波加熱装置など)で温度測定を行うことができます。蛍光材料式の温度計センサーの仕組みですが、蛍光材料に一瞬だけ光を照射すると励起された電子が基底状態に戻るまでに蛍光を放つことが知られていて、蛍光寿命は周囲の温度によって変化することが知られています。一瞬だけ光を照射してから光ファイバーを伝って検出された蛍光の寿命を測定することで、対象物の温度データを得ることができる仕組みです。

蛍光材料式の温度計センサーは光ファイバーケーブルで作られているため、大きく曲げると折れやすいという性質があります。光ファイバーが折れてしまうと修理をすることができないため、交換しなければなりません。光ファイバーはとても高価なので、取り付けたり外す際は細心の注意を払うようにしましょう。

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